北アルプス:針ノ木岳

日程 2008/04/27(日)
山域 北アルプス:針ノ木岳
ジャンル 山スキー
メンバー Y.I、Y.M

記録

4月も後半に入り下界では花見の喧騒もひと段落した頃だが、まだまだ雪見は健在、滑って滑って滑りまくるぞーって事で、潤沢な雪と豪快な滑りが楽しめるであろう針ノ木岳に例のごとくY.Mさんを巻き込んで滑落滑走をしてくることと相成りました。

5:30 駐車場から見える蓮華岳へと繋がる丸石沢はデブリの山でこれからの我々の山行の行く末を見る様でイヤーな感じが漂っている。しかし、通常は林道歩きの所を駐車場横アプローチからいきなり雪上シール歩行、先程のいやな事は忘れてまずは登って登って登りまくるぞー。

6:05 針ノ木雪渓(籠川本流)は鳴沢や赤沢などからデブリが流れ込んでいるが、雪渓自体は表面は荒れているもの歩きやすく、ぐんぐん高度を稼いでいくことができる。

6:45 …のは始めのうちだけで、谷が細くなったとたんに豆腐のお化けのような細切れブロックの集団に突き当たる。いわゆる新鮮なデブリ帯だ。ここ数日で落ちたものだろう。なるべく平らな所を選んで進んで行くが板が雪塊に突き刺さりこれがなかなか辛い。板を脱いだほうが楽かもと思いながらも、500mくらいの間お互い牽制しあい結局ブロックが切れるところまで進んでしまった。

7:30 その後も何度かデブリの山を乗り越えマヤクボ沢との合流点に到着。ここから雪質も硬くなり、クトーを装着して登る。九十九折を繰り返し、ルートを刻みながら峠を目指す。

8:30 針ノ木峠に到着。どうやら先日雪が降ったらしく、真っ白な雪が薄く斜面に張り付いていた小屋も半分は埋れている状況だ。ここから稜線沿いに東進するのが夏ルートであるが、急斜面がいきなり続くので板を担ぐか一瞬迷うも斜度的にマヤクボ沢トラバースならいけると判断し、まずはコルまで板を履いたまま直登開始。ふと後ろを見ると誰も見えない…いや板が歩いてるのが見える。どうやら、相棒は板を担ぐことにしたらしい Y.M隊員 君はきっと長生きするよ。

コルからトラバースが始まる。2・3歩き始めた所で足元の新雪がスパッと切れ前5mを含め雪が谷に向かって落ちていく。自分の心臓の鼓動が急激に早くなっているのを感じる。雪煙は徐々に大きくなり、緩やかな斜面になる100m程下で止まった。

後ろに目をやり、付いてこないように合図を送る…さてどうしたものか、まずは人という字を3回…違うな、人間をかぼちゃだとってこれも違うな、まずは状況判断だ。流れた雪は新雪2cm。足元に残っている雪は根雪に近く割れも見られない硬い雪だ。斜度は30度から35度位か…冷静に考えているうちに心拍数は通常に戻った。よし行けるっ 思い切って止まったままだった足を前に出す。

9:50 結局その後は針ノ木岳直下のマヤクボのコルまで何事もなく到着、稜線上を歩いて来る相棒を待つ。板が歩いているのが見えてやがて到着。

10:20 頂上から滑った記録もあるが、いっちゃった人用なのでノーマルな我々はここに板をデポして頂上を目指す。急な斜面をアイゼンとピッケルを使用し登頂。雲霧が出始めてはいたが、時々黒部ダムや立山連峰が顔を覗かせ白と黒のコントラストに目を奪われる。雲霧で隠れた後もしばし余韻に浸る。

10:40 折り返しマヤクボのコルまで一気に駆け下りシールを一気に剥がし板をガツンと装着!縁へと進み準備万端、出だしは不安と期待が一気に高まり緊張する。「行こうか」「行きましょうか」を3回ほど繰り返し、牽制しあい居た堪れなくなった頃どちらともなく滑走開始。最初は35度超えで滑るというより落ちるという感覚だ。

すぐに斜面は緩やかになり暫くは快適なツーリングで雪質も気持ちいい。しかし針ノ木雪渓に出合う頃に雪は重くなり、通常のズラシでは辛く足を取られ転倒、その後はジャンピングゥターン気味で滑って行く。

11:30 さらにブロック帯はさらに辛く針の道を通るようなものであったがなんとかこなし、その下の緩やかな斜面では雪が完全に緩んでしまっていてスピードが出ない。こんなときテレマークだったら楽勝だなと思いつつ駐車場に到着。

帰りはやっぱりコーラで乾杯!辛かったけど面白かった。でも当分いい。帰路にてなかなか旨い蕎麦屋を発見!GWの計画をしつつ、ずるずるっといっときました。

ページのトップに戻る